ＮＨＫ大河ドラマおんな城主直虎で出てきた「竜宮小僧」の意味は？
ＮＨＫ大河ドラマおんな城主直虎で何度も登場した重要キーワード「竜宮小僧」。
子供時代の「おとわ」と「かめ」と「つる」の３人が、探していた「竜宮小僧」。
そして、おとわは、かめ(亀之丞かめのじょう)の竜宮小僧となる！と決意しましたね。
陰で、色々支えてくれる存在の竜宮小僧の正体は一体何なのか？妖怪なのか？
河童ではないかともいわれている竜宮小僧伝説について解説いたします。
画像：おんな城主直虎
おんな城主直虎の主人公が幼少の「おとわ」という少女だった
頃、川に飛び込んでおぼれそうになった時に声で導いて
くれたり、知らない間に馬にエサが与えられていたり、と
不思議なことがたくさん身の回りで起こります。
井伊家の菩提寺の僧である南渓和尚に尋ねると、
「それは竜宮小僧のしわざかも知れぬ」
と、にわかにおとわは「竜宮小僧」の存在が
気になりはじめました。
幼馴染の亀之丞や鶴丸たちと一緒に竜宮小僧を探したり、
「もしかしたら井伊のご先祖様の正体は、竜宮小僧だったのかも」
と考えてみたり、想像は尽きません。
画像：おんな城主直虎
竜宮小僧は、架空の存在でなく、実際に伝わる伝説の存在だった！
この竜宮小僧、実はドラマだけの架空の存在ではなく、おとわ達の
住む駿河井国伊谷からもほど近い、
現在の静岡県浜松市の久留女木という地区や浜名湖付近に伝わる伝説に由来
するのだそうです。
竜宮小僧の伝説の詳細は？妖怪なの？河童なの？
久留女木の川の渕には「昔、竜宮から小僧が出てきた」という
伝説があり、この小僧は家々の田植えが忙しいときには手伝って
くれたり、夏のにわか雨の時には洗い物を取り込んでくれたり
したのだそうです。村人は有難がっていつも小僧にご馳走をする
のだけれど、「蓼汁(たでじる)だけは食べられない」と言っていたのだそうです。
蓼汁(たでじる)というのは、「たで」という苦い草で作った、汁物のことです。
「蓼食う虫も好き好き」というコトワザをお聞きになったことがある方も多いと思いますが、
この「たで」は苦いので、ほとんどの虫が食べないのですが、ごくまれに食べる虫もいるということで、
好みは人それぞれであるという意味でつかわれるようになった由来の草です。
ところが、ある時、村人がそれを忘れて「蓼汁(たでじる)」を出して
しまったところ死んでしまったのだとか。
そこで村人は、
小僧を村に生えていた大きな榎の木の下に埋葬したところ、
そこから綺麗な湧き水が湧いて、村中の田圃を充たすほどの水が
出るようになったといいます。
川からやってきたので、「河童」の仲間のようにも思われますが、
いかにも人間らしい小僧さんとして伝わって
いますので、本当に竜宮の使いだったのかもしれませんね。
竜宮小僧とは違いますが、井伊谷には「鰻井戸」と呼ばれる場所が
ありますが、こちらも昔は「鰻さまが住む竜宮井戸」とも呼ば
れたようですので、竜宮に関わる伝説はこの地方で
ポピュラーだったのでしょう。
竜宮小僧に似た話には、いくつかのバリエーションがあり、「
たくさんのお客様が来て、お椀が足りないときに竜宮さまに
頼むと、お椀を貸してくれる」ところが、「返すときに数が
違っていたりすると、それ以降はもう貸してくれない」などの
伝説があります。
これに似た話は静岡だけでなく、周辺の愛知県や長野県でも
伝わっているそうで、「川の渕に住んでいる」とか「蓼汁が苦手」
というところが共通点です。
もしかすると、竜宮小僧は
井伊谷だけでなく、私たちの身近な川の渕にも住んでいるのかも
しれませんね！
果たして、「おとわ」は、かめ(亀之丞かめのじょう)の竜宮小僧となれるのか？
ＮＨＫ大河ドラマ「おんな城主直虎」の続きが気になりますね。
最後までご覧いただきありがとうございました。
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